小林聖心女子学院小学校

◆ 森本幸一 副校長先生 インタビュー  (2011.7.5)

兵庫県宝塚市にある「小林聖心女子学院小学校」で森本 幸一 副校長先生にインタビューして参りましたので、ご覧ください。

 

 

 

小林聖心女子学院小学校には、「ソフィータイム」の名前で、総合的な学習の時間に「地域社会」「環境」「生命」「国際理解」などの現実社会の問題に関したさまざまな体験活動を取り入れた学習をしています。そして、この「ソフィータイム」で大切にしていることは、実際に自分で見て感じたことを通して、調べたことを自分の言葉でまとめて、発表することです。そのために、図書やコンピューター等情報ソースを駆使して活用しています。勿論、チームワークも大切です。そこで、みんなで集まって打ち合わせをしているようでした。小林聖心のお子さんたちは、自主性がしっかり育っているように感じました。

小林聖心女子学院の教育方針は、「魂を育てる」「知性を磨く」」「実行力を養う」です。自主性を持って学習する姿勢は、これら3つの教育方針が相まって生じるものだと思いました。また、聖心女子学院の教育理念である、「一人ひとりが神の愛を受けたかけがえのない存在であることを知り、世界の一員としての連帯感と使命感を持って、より良い社会を築くことに貢献する賢明な女性の育成をめざします。」の中にある「賢明な女性」育成を大切にしている結果だとも思いました。

お昼休み時間でしたが、自主的に集まって発表の打ち合わせをしていました。

小林聖心女子学院では、豊かな心と探究心を育てるために、読書指導を大切にしています。図書館には学校司書が常駐し、本の紹介をしたり選書の相談にのったりしています。児童の1年間の1人平均貸し出し数は約90冊と多く、蔵書数は、小学校で約2万5千冊 、中学校高校で約10万冊以上、それぞれデータベースでつながっており、検索して調べ学習や授業の際に借り出すことができます。このように恵まれた自ら課題を探し追究する姿勢を持ち、自分の意見を練り上げ自己表現できる力の育成を目指しています。

 

英語に慣れ親しみ、楽しみながら「聞くこと」「発音すること」「話すこと」で異文化にふれ、自己表現のためのコミュニケーションができるようになるために少人数で英語教育を行っています。小学校1年生から週2時間1クラスを半分にしてネイティブスピーカーと日本人教師による英語だけの授業が行われ、日本語には無い発音を年齢の低いときに身につけます。低学年では歌ったり、動作で表したり詩や物語を暗唱したりして英語を楽しみながら学びます。話すことを中心に学習していますが、中学年・高学年になるにつれて、音と文字の関係が分かるフォニックスも学び、少しずつ読むことができるようになります。高学年では、留学生との交流の機会も多く、実際に英語で話す機会があり、ますます意欲的に話したいと思うようになっていきます。

 

ワークスペースでも、自主的に集まって発表の打ち合わせをしていました。

小林聖心女子学院の生徒さんたちは、おとなしいばかりではありません。
とっても、活発です。広い運動場やプールや四季を感じる恵まれた自然環境を
満喫しながら、子どもらしい動きをしていました。
そういえば、廊下を走るお子さんはいませんでしたね。

 


「マーテル・アドミラビリス」と名づけられた聖母マリアの絵の原画は、ローマ市内のスペイン広場にあるトリニタ・ディ・モンティの修道院の壁画で、19世紀半ば頃、一修道女によって描かれたものです。この聖母像は、学院の創立者、聖マグダレナ・ソフィア・バラが目指した女性の理想像を表すものとして親しまれてきました。1801年、フランスのアミアン市に最初の聖心女子学院が創立されて以来、いまや世界各国に広がっている聖心女子学院のどの姉妹校を訪れても、必ずこの聖画を見ることができ、その創立者の教育理念の精神を伝えています。 この絵は、「希望」のある未来を示すあけぼのを背景に、ふと手仕事をやめて、心を神に捧げる若き聖母マリアの姿です。バスケットの上に伏せられた読みかけの本によって示される「学問」への関心、手にする糸紡ぎ機に表される労働の貴さ・・・ここに祈り、考え、働くという基本的な人間の生きる姿勢が描かれています。また傍らに咲くユリの花は「清純」の徳を表します。神を信頼して生きた聖母マリアのように、命をはぐくみ、大切にし、神と人への愛にこたえていく女性の品位と使命を象徴しています。(聖心女子大学ホームページから)

最後になりましたが、小林聖心女子学院小学校の大きな特徴は、小・中・高の12年間一貫教育です。児童の発達段階を踏まえながら、12年間を3つの段階に区分した独自の教育課程で、確実で着実な実力を身につけるシステムです。

小学1年~4年・・・・・ステージⅠ 

学習と生活における基礎・基本を徹底し、全人教育の土台作りをめざします。

小学5年~中学2年・・・・ステージⅡ 
小学校から中学校へのスムーズな進学を図り、周りとの関わりや学びにおける主体性の育成をめざします。

中学3年~高校3年・・・・ステージⅢ
自己理解/他者理解に基づく使命感を養い、実行力のある女性の育成をめざします。


素晴らしい学習環境、一人ひとりに向き合う先生方、12年の独自の教育カリキュラム、支え合う友・・・
よりよい社会を築くことに貢献する賢明な女性を育成できる学校だと思いました。