甲南学園 甲南小学校

◆大谷彰良 校長先生 インタビュー (2011.5.24)

2011年 5月24日 兵庫県にある甲南学園甲南小学校の 大谷 彰良 校長先生にインタビューして参りましたので、ご報告いたします。

CIMG2300     大谷 彰良 校長先生と私

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CIMG2321創立100周年記念事業として昨年 校舎を増改築しました。

CIMG2304ゆったりとした教室です。
1学年60人、2クラス。1クラス30人。
幼稚園からの内部進学者がありますので、外部入学者は約20名です。


CIMG2308甲南小学校・幼稚園の歴史を顕彰する「学園資料室・展示室」

在校生には甲南小学校の歴史を知る場であり、
卒業生には思い出に浸れる場所です。


CIMG2310          多目的ホール

120席と小さなステージを有するホールは、学習発表会の練習や
講演会等で活用しています。

CIMG2303            和室

礼儀作法を目的とした茶道・華道等の日本の伝統文化を通して、
立ち居振る舞いの正しい仕方に慣れ、親しみ、
相手に向かう敬意や愛情の表現の場として利用しています。

CIMG2316    とっても広い運動場です。プールもあります。

兵庫県東灘区にある学校法人 甲南学園 甲南小学校の 大谷 彰良 校長 先生にインタビューをして参りましたので、ご報告いたします。大谷 彰良先生は、校長先生に就任されて7年目だそうです。甲南学園甲南小学校(小学校・幼 稚園)の学園長でもいらっしゃるし、兵庫県私立小学校連合会の会長でもいらっしゃいます。


甲南小学校の創立者は 平生 釟三郎先 生です。教育者(神戸商業学校、現在の兵庫県立神戸商業高等学校校長でもありました)であり、社会事業家(灘購買組合、現在の生活協同組合コープこうべの 設立を後援したり、甲南病院の設立に尽力しました)でもありました。当時の日本が欧米先進国に比べ、文明、特に社会理論に劣っていることを痛感し、自由な 教育を通じて、すぐれた人間の育成を急務と考え、1911年(明治44年)に甲南幼稚園を、翌1912年には甲南小学校を設立しました。
ですか ら、建学の精神は「人格の修養と健康の増進を第一義とし 個性に応じて天賦の才能を発揮させる」ですし、教育方針の一つは「徳・体・知の調和的発展を目指 す」です。そして、他の二つの教育方針は「幼稚園・小学校の連携による一貫教育を目指す」、「時代の変化に対応する教育を目指す」です。


大谷 彰良校長先生は、校長先生に就任された時に、
「ひとに優しく 自分に厳しい 甲南生」というモットーを立てて、心豊かな人間づくりを目指しています。

めざす子どもの姿は
* 思いやりのある子ども
* 健康でたくましい子ども
* 自ら学び、自ら考える子ども

さらに、「甲南生のめざす10箇条 ~甲南生として身につけてほしい重点目標~」があります。

1. 相手の目を見て話し、聞く。

2. すばらしいことには、拍手で祝福する。
3. 周りのひとたちへの感謝の「ありがとう」。
4. しっかりとあいさつをする。
5. 身の回りの整理整頓をする。
6. 集合したら、口にチャック。
7. あやまちを認めて「ごめんなさい」。
8. 宿題は、必ず出された翌日に出す。
9. ごみの落ちていない学校をめざす。
10. 仲間はずれのない学校をつくる。

この10箇条によって、基本的な生活指導の徹底を図っています。



以下に、大谷彰良校長先生のお話をご報告します。

甲南小学校は、教育方針にもあるように「徳・体・知の調和的発展を目指す」学校です。
月曜日から木曜日まで、毎日全校朝会を行います。校長との挨拶と母の鐘の音と共に、ここ甲南小学校の一日が始まるのです。月曜日は誕生朝会、火曜日は駆け足朝会、水曜日は体操朝会、木曜日は隔週で音楽朝会と読書朝会、金曜日は学級朝会があります。
朝会の後は、15分の「甲南タイム」があり、ここで計算・漢字の基礎基本学習を徹底しています。

「徳 育」として、「みんなの良いところ見つけ週間」を年に3回実施しています。子どもたちだけでなく、親にも参加していただいています。欠点を見つけることは 簡単ですが、褒めることはなかなかできません。しかし、この甲南小学校では褒めて育てることを大切にしているのです。褒めることと甘やかすことは異なるも のです。「徳」の教育として「褒めて育てる」ことが大切です。一学年2クラスですが、3人の教諭が担当しています。これも、子どもたちに寄り添い、良いと ころを見逃すことなく見守りたいと考えているからです。

「体育」として、「健康教育」を重視しています.
朝の駆け足朝会や体操朝 会も健康を大切にした活動ですが、それ以外に年に8回の「目的を持った遠足」を実施しています。この遠足は出来る限り歩きます。4月は1年生の歓迎遠足 で、1年生と6年生が手をつないで歩きます。5月は社会見学旅行、6月は地区別遠足、9月は早起き遠足です。学校に朝5時40分に集合して出発します。 10月は社会見学遠足、11月は鍛錬遠足として、高学年は六甲山山頂を目指します。1月は耐寒遠足、3月は6年生の送別遠足です。甲山森林公園の野外ス テージで出し物をして、6年生に披露します。

こうした遠足以外に、10月には運動会があるのですが、個人の結果、チームの勝敗等に体育点 がついています。そして、小学校卒業時、この体育点の6年間の総合計100点以上の子どもに「体育賞」が授与されます。甲南小学校の運動会では、優劣をつ けています。世の中には競争があります。そのことを小学校時代から学ばなければならないと考えているのです。「体育賞」は、「体育」を大切にする甲南小学 校の特徴の一つですね。以前は、春と秋の年2回運動会を開いていたこともあったのですよ。
5年生、6年生は女子は「ダンス」、男子は「剣道」が学習に入ってきます。どちらもなかなか本格的ですよ。

遠 足や運動会を含めて行事が多いことも、甲南小学校の特徴の一つでしょうね。子どもは行事で育つものです。人間形成の上で、さまざまな行事を体験することは 本当に重要なことだと考えています。6年生の修学旅行、甲南三学園合同で行う「農業体験学習」や「住吉川環境学習」、ナッジ・ジュニア・カレッジ校(オー ストラリア姉妹校)との交流会、3・4年生は2泊3日、5・6年生は3泊4日の校外学習、芸術観賞会、作文発表会、学習発表会、展覧会、5年生のオースト ラリア交流旅行(20名まで)等のたくさんの行事があります。

「知育」は、「キャッチボール学習」を大切にしています。「キャッチボー ル」という意味は「~ぱなし」はないようにしているのです。課題を出しても、出しっぱなしということではなく、最後までチェックしますし、児童も甲南10 箇条にあるように、「宿題は、必ず出された翌日に出す」ことにしています。これは、基本的学習習慣ですので、徹底しています。「知育」偏重ではなく、「徳 育」「体育」との調和的な発展を目指しているわけです。
英語教育は、1年生から「英語」と「英会話」の週2時間学習です。小学校在学中に英検2級を取得する子どももいますよ。甲南幼稚園では、幼・小の連携教育として4歳、5歳児も「えいごあそび」があります。
甲 南の教育体制としては、一定の基準に達すれば「甲南中学校」、「甲南女子中学校」に進学できます。「甲南高等学校」、「甲南女子高等学校」もありますし、 甲南大学、甲南女子大学もございます。甲南大、甲南女子大に推薦された場合は、その推薦権を留保したまま、他大学受験も可能です。


本学園は「ファミリー」です。規模が小さいと言うだけでなく「ファミリー」と呼ぶのにぴったりの学校です。
「一生をともに走れる「友だち」をつくる学び舎」です。
子どもを育てるためには、社会環境、家庭環境、教育環境、人的環境を整える必要があると思いますが、それらがすべて整っているのが本学園だと思っています。
受験するために勉強をするのではなく、人間力の基礎を培いたいと思っています。そして、それが小学校教育の責任だと考えています。


最後に、入学希望の保護者の方へのメッセージをお願いしました。大谷彰良校長先生は、

「家庭でのしつけを大切にしてほしいですね。お箸の持ちかた、食事のマナー、鉛筆の持ち方等はご家庭で指導するべきものだと思います。子どもは親が育てたように育ちます。
現代は、子どもの生活リズムを保護者が奪っているところがあると思います。外食したり、遅くまで連れまわしたりすることは、子どもの生活のリズムを狂わせる原因の一つになると思います。
「徳 育」というものは、ちょっとしたことなのだと思います。子どもが話しかけてきたら、から返事をするのではなく、仕事の手を止めて、子どもと向かい合ってき ちんと話を聞いてあげることが大切なのではないかと思います。そうした子育てで、お子さんの「人となり」が違ってくるのではないでしょうか。」

 と、答えてくださいました。

入学テストは、
1、言語領域
2、数・図領域
3、運動能力
4、生活適応
5、親子面接(約20分間)の5項目を総合的に判断しています。
昨年は、外部から41名の応募者があり、22名が合格されました。


以上です。


甲南学園は1911年(明治44年)9月10日に幼稚園が開園され、翌年1912年に甲南小学校を開校されてから、今年で100周年になるそうです。創立100周年を祝って、さまざまなイベントが展開されます。
どうか、ご参加下さい。



 

子どもの笑顔を守りたい。 幼児教室けいkids+の心です。