京都女子大学附属小学校 

◆吉永幸司 校長先生 インタビュー (2011.4.28)

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2011年4月28日 京都東山区にある京都女子大学附属小学校の吉永幸司校長先生にインタビューして参りましたので、ご紹介いたします。

吉永幸司校長先生には、
1、京都女子大学附属小学校の魅力
2、教育の特徴
3、行事の特徴
4、どういう人に育ってほしいですか?
5、入学を希望する保護者へのメッセージ   
 の5つについて伺って参りました。


 




1、京都女子大学付属小学校の魅力について
本校では、仏教精神を建学の精神とし、心豊かで品位ある子どもを育成しています。

教育目標は、「いのちを大切にした心の教育を重んじ、いじめのない学校をめざす。」、「国語力は人間力」を合い言葉に、敬語、とりわけ丁寧語が使えることを大切にして行儀のよい学校づくりを目指す。」です。

こ の教育目標には、「生かされて生きる」という親鸞聖人が体せられた考えのもと、命と心を大切にする子どもの育成という意味があります。また、「いじめのな い学校」とは、単にいじめの有無という現象ではなく、国語力が育ち人間力として結実すれば、いじめがなくなるという消極的なものでもなく、いじめに見える ような出来事もエネルギーにしてたくましく育って行ってほしいという考えも含んでいます。そして、そのためには、確固とした国語力を育成する事が必要に なってくると思います。「行儀のよい学校」というのは、仕草や行動というだけでなく、丁寧に物事に関わろうとする意欲や態度も含んでいます。自分の使って いる言葉の響きや広がりを心に留め、言葉にかかわろうとする子の育成を目指すものです。言葉を大切にする子は、自らの言葉に責任を持つ様になるでしょう し、豊かな言葉を持つことは豊かな生き方につながるでしょうし、自らを高める言葉をもつ子は、崩れそうになった時言葉の力で立ち直るものです。



2、教育の特徴
教育理念は「いのち・こころ・ことば」です。合言葉は「国語力は人間力」です。

わたしは、「国語力」とは、希望を持って生きる力」だと捉えています。
子どもはみな未来に希望を持っています。希望を持っているお子さんは強い。でも、思っているだけでは弱いのです。それを、言葉に出して初めて、強い心になるのです。出した言葉が人格を形成するのです。国語力を育成することは人間 力指導でもあるのです。そういう意味で、「国語力は人間力」なのです。 

可能性を引き出す教育に取り組んでいます。具体的教育プログラムとして、
☆生きる力を育てるこころを育てる附小独自の宗教教育、
☆国語力、
☆算数理科教育、
☆大高中幼連携教育と食育、
☆コミュニケーション、
☆知恵と品格の6つのプロジェクトを進めています。

この中で、「国語力」は、本校の特徴の一つです。
「国語力は人間力」を合言葉に学校を挙げて取り組んでいるのですが、国語力の育成には「読む力」、「書く力」、「話す力・聞く力」、「言語の力」の4つの力が必要です。
こ の中で、「書く力」には、特に力を注いでいます。ノートは、学ぶ力の基礎を育てる大切な働きをします。ノートを丁寧に書く、美しいノートにするという指導 は確実に子どもの学習意欲に結びつき、考える力を育て、ノートがよくなることに比例して学力が伸びてきます。ですから、国語授業の入口にノート指導をもっ てくることがとても大切だと考えています。この美しいノート作りのお手本は、先生方の板書です。これは、本校の自慢です。子どもたちにとって、よいお手本 を毎日見ることが出来ることは幸せだと思いますよ。
こうした本校のノート指導は「考える子どもを育てるノート術」として認めていただいていて、小学館から「京女式 ノート指導術」1・2が出版されています。



3、行事の特徴
本当にさまざまな行事がありますよ。本校は土曜日も学校がありますので、ゆとりがあります。ですから、遠足や稲刈り、運動会、芋ほりといった一般的な行事のほかにも宗教的な行事がたくさんありますし、社会見学等もどんどん行っています。
4 月の新入生本山参拝や6年生の修学旅行、5月の花まつり、親鸞聖人降誕会、6月の田植え、あじさい読書週間、7月の七夕集会、5年生の臨海学校、9月の林 間学校、10月の観劇会、11月の秋の読書まつり、附小作品展、12月の心の学園記念日、報恩講、1月の2分の1成人式、むかしあそび交流会、2月の風の 子交流会、スケート教室、スキー教室、3月の卒業生本山参拝等の充実した行事を通して豊かな情操を育んでいます。

行事ではありませんが、 「休み時間の充実」にも取り組んでいます。先生たちが子どもの中に積極的に入り込んで一緒に遊んでいます。子どもの心は日記の文字に現れたり、日常生活の 中に現れたりします。日常生活に現れた変化を見逃すことなく捉え、子どもたちに寄り添うためです。


4、どういう人に育ってほしいですか?
子 どもは家族の宝であり、社会の希望です。ですから、ご家庭と学校が協力して、心が豊かで品位のある子どもを育てていきたいと考えています。そして、リー ダーになるお子さん、魅力あるお子さんに育ってほしいと思いますね。良き社会人になるためには、良い人との出会いが必要です。そして、そのためには自分を 磨いていなければいけません。自分を磨くことの基本は挨拶、綺麗な言葉で会話する、そして自分の心や身の回りで起こった現象をきちんと表現することだと考 えていますので、その基本を、国語の授業で育てています。



5、受験を希望する保護者へのメッセージ
入 学式から始まる小学校の6年間は豊かな人生を送るための基礎をつくる大切な時期であり、どこで何を学ばせるのか、それは保護者の方にとってはとても重要な 選択ですね。是非、この京都女子大学附属小学校に、安心してお子さんを任せてほしいと思います。ここには、思いやりがあり、約束を守る素敵な在校生が、そ して、学校と連携して子どもの成長を見守る素敵な保護者が揃っています。

親は常に子供の手を引っ張って、危険から守ろうとします。しか し、それではいけません。子どもが恐怖を感じてギュッと握ってきたときに、握り返すだけで良いのです。失敗してもいいのです。失敗の中から何かを学んでい けば良いのです。失敗を次のエネルギーに変えていけるお子さんに育ててほしいですね。

 


 

以上です。

 

 

吉永幸司校長先生のお話は日が経つにつれ深く心に染みこみ、「国語力」とは、「人間力」とは、「表現力」とは、「思いやり」とは、「相手を尊重する」とは・・・などなど考え込むようになりました。

人 間の生活は言葉で埋め尽くされています。私たちは日々、言葉を使ってコミュニケーションを図っています。しかし、うまくいかないことも多々あります。慰め ようとして使った言葉が慰めにならなかったり、応援しようとして使った言葉が応援になっていなかったり、大切な子どもの気持ちを傷つけたり・・・難しいも のですね。

考えると、喋ることが怖くなってきました。

でも、京都女子大学附属小学校の生徒さんと同様に、丁寧な挨拶をし、心 のこもった返事をし、「です」や「思います」といった文末を意識し、主語と述語を意識して話すようにすれば、自分も変わり、相手も変わるかもしれません。 きっと、変わるのだと思います。今日から、実践してみます。

 

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「国 語力は人間力」については、吉永幸司校長先生編、京都女子大学附属小学校著、明治図書出版の「国語力は人間力 ~授業が変わると子どもが変わる~」を、ご 一読ください。この本は初等教育にかかわっている方に有用なだけでなく、家庭での国語力育成の指針になると思います。私は人の話が聞けることが学びの始ま りだと思います。そして、人の話が聞ける子どもは、家庭での親子の関わりの中で育つものだと思っています。この本にはその関わり方のヒントがたくさん紹介 されています。是非、ご家庭でも取り組んでくださいね。


京都女子大学附属小学校のホームページはこちらです。

吉永幸司先生は、ブログを書いていらっしゃいます。これが、素晴らしい。
読むだけで国語力が付きそうです。是非、ご覧ください。
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子どもの笑顔を守りたい。 幼児教室けいkids+の心です。

 

 

 

 

2011年 4月29日

 
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昨 日、京都女子付属小学校の吉永幸司校長先生を訪ねました。けいkids+ブログに掲載している「校長先生インタビューシリーズ」に出ていただくためです。 初めてお会いした吉永校長先生は、芯の強い方でした。そして、とてもソフトな方でした。「優しい」とも少し違う・・・そう、やはり「ソフト」なん です。荒々しいところもないし、押し付けるところもないし、話しをしていて心地よいのです。会話が弾むのです。

 

「ソフト」の原因。それは、言葉が綺麗だったからだと思います。言 葉が綺麗ということは、相手を認め、自分の気持ちをそっと差し出すことのように思います。吉永校長先生は、意見はしっかり話しながらも、綺麗な言葉で丁寧にゆっくりを同じトーンで話しかけてくださいました。

 

吉永校長先生は、「単語で話すから喧嘩になるんですよ。」と仰っていました。確かに、そうですね。喧嘩するときは単語を投げつけています。それも美しくない単語です。単語の会話では、相手を理解することが出来るわけがありませんね。 

 

ご 家庭では綺麗な言葉を使っていても、幼稚園や小学校に入ると、途端に言葉が乱れることがあります。家庭では使ったことがない、びっくりするような言葉を しゃべるときもあります。しかし、それは集団に入るときには必要なことかもしれません。子どもたちは、なんとか集団に入ろうとして、工夫しているのだと思 います。学生時代、さまざまな地方から来た友人たちが関西弁を覚えるのはとても早かったことを思い出しました。そうすることで、集団の一員だと認めてもら いたかったからなのかもしれません。

 

ですから、幼稚園児や小学生が集団に入る手段として起こった「言葉の乱れ」は、ある程度許してあげたほうが良いかもしれません。そして、乱れた言葉 を何度も訂正させることよりも、その場に合った言葉を使うことを教えてあげたら良いのではないでしょうか。今、自分が取るべき態度や使うべき言葉を自分で 判断できる子供に育つように導くことのほうが大切だと思います。



吉永幸司先生のインタビュー内容は、次回、ご紹介させていただきます。

京都女子大学附属小学校のホームページはこちらです。


吉永幸司先生は、ブログを書いていらっしゃいます。これが、素晴らしい。
読むだけで国語力が付きそうです。是非、ご覧ください。
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