ノートルダム学院小学校

◆行田隆一 校長先生 インタビュー (2012.6.22)

2012年 6月22日

2012年4月に、ノートルダム学院小学校長に就任された行田隆一新校長先生にお話を伺って参りましたので、ご紹介いたします。

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                 行田 隆一 校長先生 

          

「校長になっての願いは、保護者の皆様のニーズにできるだけ応えたいということです。ご要望を把握し、子ども達が21世紀を生きていく上で必要だと思われるものは積極的に取り入れていきたいと考えます。それが、本校の継続的な発展につながるものと信じます。
一方、改革の手を加えることによって、本校教育の軸がぶれることはありません。ノートルダムのモットーである『徳と知』、そして教育基本原理の『可能性の開花』、『国際的な視野』、『貧しい人を優先』は、校長が新しくなっても不動です。
そ の中でも、とりわけ私は、この世紀に羽ばたく国際人を育てたいです。国際舞台に立つためには、もちろん英語が必要ですが、それさえマスターしていればいい というものではありません。英語はコミュニケーションツールに過ぎないからです。英語を学びつつ、マナーを身につけ、社交性を磨きます。何より大切なのは 日本人としてのアイデンティティーです。日本の歴史と文化を学び、それを外国の方々に誇りを持って紹介できるのが大事です。そのため、本校はこれまで、礼 法・茶道・食礼・和楽器などを取り入れてきています。
礼法や茶道を通してホスピタリティーおもてなしの心を育んでいます。これとあわせ、『奉仕の 精神』の土台も本校でしっかりと築いてほしいです。そして、『自分も人も大切にする子ども』をつくることを目指す学校から、国際的に他者への配慮と行動が できる人間が巣立って行ってほしいです。」

ノートルダム学院小学校のホームページはこちらをご覧ください。


CIMG4029正面玄関入口


ノートルダム学院小学校の学習面の特徴を教えてください。
「本校では、子どもたちの能力を伸ばすために、学級担任制、教科担任制、専科制と多様な指導体制を組んで指導に当たっています。
低学年では、いろいろな教科を通じて学習の仕方をしっかり身につけさせることに力点をおき、算数や国語、そして総合的学習など、多くの指導を学級担任制でおこなっています。
中学年以上では、教科担任制を取り入れ、国語や算数、理科や社会などを担任以外の教科の担当が指導します。これにより、専門性の高く、学習効率もすぐれた授業が可能になります。
また、音楽・図工・英語・体育も、より質の高い授業を提供するために専科制を取り入れています。」


ノートルダム学院小学校の行事面の特徴を教えてください。
「豊 かな人格は様々な体験学習を通して育まれると考えております。1年生から始まる「山の家」学習や、写生会、美術展、全校音楽会等の芸術面の行事のほかに も、スポーツ面での行事が多いことが本校の特徴です。特に、体育教育は他校に類を見ない豊かなプログラムを用意しています。本校では、「未来につながる学 び方や考え方・豊かな心・体を育む授業を目ざして」というテーマで、心と体が一体となって育てる教育を実践しています。年間に4回行われる「スポーフェス ティバル」は、「走」「投」「跳」などの運動を通して、子どもたちの心身の発達を促進する日常体育の学習発表の場です。「スポーツフェスティバル」以外に も、水泳学習、球技大会、マラソン大会、スキー合宿、大なわ大会等があり、本校の一番特徴ある体育行事としては、5年生が取り組む2泊3日の「遠泳合宿」 があります。足のつかない深さの海で各自決められた時間を全員が完泳するのです。この「遠泳合宿」は、卒業した児童たちにとって一番思い出多い行事であ り、私たち教員にとっても忘れられない行事です。完泳するこ とで達成感を味わい、大変なことでもやれば出来る、努力すれば困難を乗り越えられるという体験をすることで、どんなことにも挑戦する、克己心が育ってくれ ることを願っています。」



ノートルダム学院小学校入学希望者の保護者のみなさまへのメッセージをお願いします。
「本校 は、再来年創立60周年を迎える記念事業として、新校舎を建設いたします。来年4月に入学していただく児童は、11月までは既存の校舎で毎日の授業を受け ていただきますが、特別教室棟はすでに出来上がっていますので、宗教、音楽、図工、英語の授業や図書館・視聴覚教室の使用が可能です。新校舎は時代を先進 的に取り入れた施設・設備になっていますから、ハード面での充実は満足していただけると思います。
次に、ソフト面と申しましょうか、つまり教育内容の充実ですが、これもさらに満足していただけるよう、これまで以上に、教師力の更なる向上をはかり、指導力・授業力のアップを図ります。何と申しましても、教師の幸福は、児童に満足してもらうことです。」


入学試験対策について、アドバイスをお願いします。
「小学校受験教室で徹底的に教えられたお子さんが合格しているとは言え ません。むしろ、教室で習ったことを日常生活の中で、より高度に結び付けることができたお子さんが合格していると思います。誕生から積み上げてきたこれま での子育ての中間的な結果を受験を通してどれぐらいのものか手ごたえをさぐる、ぐらいの気持ちでいいのではないでしょうか。ただ、受験が済んだからと言っ て、マナーを忘れては困りますよ。小学校受験を経験することで、これまでの「家庭のしつけ」を振り返るきっかけにしてほしいですね。そして、軌道修正しな ければならないところは、思い切ってそうすることも大切かもしれません。」


CIMG4030ノートルダム学院小学校 校門


ノートルダム学院小学校の教育理念は「徳と知」です。
教育目標は「豊かな心」と「基礎的な学力」です。

豊かな心
「豊 かな心」は、「感じる心」によって育まれます。人の喜び、悲しみ、怒りなどを素直に感じとることができる心。その心を磨くために、四季折々の学校行事の中 で、自らの体を使って、見て、聞いて、触れて、いろいろなことを感じるのです。経験することで人は、「感じる心」を開花させていきます。また、規範に基づ いた行動の中で社会性を身につけます。

基礎的な学力
「基礎的な学力」は、言うまでもなく、知識の習得を土台として います。それと平行して、人としての完成を目指すための「力」が必要になります。たとえば、「対話力」がそのひとつです。自らが感じたことを表現する能力 と、他者の言葉を理解する能力であるこの「対話力」を、「基礎的な学習」の重要部分ととらえています。自らの弱さ、わがままな心、未熟さを認める勇気と、 より善い人間に成長していくために努力する強さを持ち、他者を受け入れ、感謝の心で他者とともに社会に奉仕することができる。自律性のある人に、判断でき る人に、想像力のある人に。そんな人になって欲しいと願っています。     
~学校パンフレットから~
CIMG4022
     創立者 マザー・テレジア像

 

「The Notre Dame Times」にあります、行田隆一校長先生のお言葉をご紹介します。

「不易」はいつまでも変化しない、本質の部分を指します。「流行」はいうまでもなく新しい変化という意味です。俳諧の世界に生まれたこの言葉は含蓄に富み、その解釈には諸説あるようですが、ノートルダム学院小学校は今、この言葉に当てはまる状況にあると思います。
本 校にとって「不易」は建学の精神とそれにもとづく伝統であり、これは不動の部分です。しかし、再来年に迎える創立60周年記念事業としておこなわれる新校 舎建設というハード面の充実、そしてそれにともなうソフト面、つまり教育内容の改善と進化は、時代をにらんでおこなうべき「流行」の部分であると言えま しょう。要は、そのバランスをいかに良質のうちに保っていくかということが肝心です。
新校舎の図書館は、仕切りはないものの、2つの空間に分けら れます。それは、伝統的な紙ベースの図書を読むという伝統的な読書スペースと、電子図書の閲覧やネット検索などに対応した、未来の図書館スペースです。図 書館を一例として、新校舎での教育プログラムは時代を先進的に取り入れたものとする予定です。「不易と流行」ということばを大きな示唆として、本校は継続 的な発展を加速するつもりです。」   
ノートルダム学院小学校  校長 行田隆一



子どもの笑顔を守りたい。幼児教室けいkids+の心です。  

 

 


2009年 9月11日 

京都左京区にある ノートルダム学院小学校に行って参りました。

校長先生は、シスターベアトリス 田中 範子先生です。


CIMG0298     シスターベアトリス田中校長先生と私

 

田中校長先生は、校長先生になって26年目だそうです。強い心を持った可愛い女性です。自分に厳しい方です。でも、完璧でない自分を許す優しさを持っている方です。探求心旺盛で、自分を磨くことにどん欲な方です。素晴らしい校長先生です。

 

田 中校長先生は、「現代は忙しすぎて、現象の奥にあるものに気づく余裕が無いように思いますね。四季折々の行事にしても深く考えることなく過ごして しまいがちですが、自然に対する畏敬の念を抱いて欲しいですね。私は幼稚園時代、いえ未だ何もわからない赤ちゃんの頃に、環境を整えて宗教的な心を育む事 が大切だと考えています。感性は宗教的な環境の中でこそ育てられるものだと思っています。そして、優しさは感性から生まれるのです。」と話して下さいまし た。


「たいせつなこと―伝えたい、ノートルダムの心」という小冊子の中にある素敵な言葉をお伝えします。

 

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「神を敬い、命の尊さを知り、自分のことも人のことも大切にする心が育てば、自然と他人への気づかいや思いやりのあるふるまいにつながることでしょう。
そんな「内面の輝き」によって備わる、人の「品位」こそ、ノートルダムが大切に守り続けたい伝統のひとつです。
子どもたちには、言葉や行い、あるいは存在そのものから、まわりの人をあたたかな気持ちにさせる人になってほしいと願っています。
たいせつなことを、あなたに。

ノートルダムはいつも、あなたのための椅子を用意しています。」

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田中先生にも、「話が聞けない、考えることが出来ない、生活習慣が身に付いていない」と言われる、今頃の子供たちについてお尋ねしました。

 

田 中先生は、「親が話を聞けないのですから、子供も聞くことが出来ないのは当たり前でしょうね。考えることが出来ない子供が多くなったからこそ、考 えることが出来るように学校が指導するべきでしょう。今は、やりたいことがわからない青年が多いようですね。残念です。生活習慣が身に付いていないのは、 親が子供を待つことが出来なくて、つい手伝ってしまうからではないでしょうか。そのために、生活習慣も身に付きませんし、やり遂げた経験が少ないお子さん が多いです。待つことが出来ない親自身が、大人になっていないって事でしょう。習いごとが多いために家庭で過ごす時間が少なくて、価値観を子供に伝えられ ていない様に思います。決まりを守らない保護者もいます。自分さえ良ければ、家族さえ良ければ良いっていう保護者が増えています。これでは、子供も決まり を守りません。子供を誉めることも必要ですが、人間として守らなければならないモラルは、しっかり守らなければならないということを厳しく言うことも必要 だと思います。自分をコントロールし、時には相手を優先する事が大切な事も在るということに気付いて貰いたいです。幼い時にこそ、正しい価値観を植え付け るべきだと思いますね。」と、答えて下さいました。

 

「話が聞けない、考えることが出来ない、生活習慣が身に付いていな い」と言われる今頃の子供を作っているのは、どうやら大人みたいです。ならば、大 人が変われば、子供も変わります。「人がかわれば、世界がかわる。」と学校パンフレットの最後のページにありました。本当に、その通りだと思いました。



子どもの笑顔を守りたい。幼児教室けいkids+の心です。